人工ペアリング

オオムラサキのメスとオス。オスがその名のように紫色のはねを持ち、メスは茶色です。
オオムラサキのメスとオス。オスがその名のように紫色のはねを持ち、メスは茶色です。

 生き物の飼育では、できれば産卵まで見たいと思います。カイコやホタルは、狭いケースの中でも、出会えば交尾して産卵してくれるので累代飼育をしやすいのですが・・・

 オオムラサキはオスがしっかり飛翔しないと成熟しきらないのか・・・ ケージ飼育の場合は、5mの高さが必要と言われています。

 アトリエでの室内放蝶は難しく、直径40cm×高さ55cmの吹き流しの中でオスとメスが静かにしている毎日です。先日来、人工ペアリングについて矢後勝也先生(東京大学総合博物館 特任助教)にご相談し、試みていただきましたが不調に終わりました。メスが羽化して1週間になるので、卵が成熟し腹部がパンパンになってきましたから、そろそろ人工ペアリングは諦めざるをえなくなりそうです。

 第3巻は、総監修を中井克樹先生。チョウの同定や生態についての監修を矢後勝也先生にお願いすることになりました。中井先生は、『かえるよ!メダカ』(初版2003年3月)を出版するときに外来種問題についてご指導いただき、矢後先生には、『かえるよ!アゲハ』(初版2001年4月)で、チョウのサナギについてご相談し(その頃は、九州大学大学院比較社会文化学府生物大系学教室におられました)、それ以来チョウの飼育などについて時折ご教授いただいて参りました。