アゲハの吸蜜源

人間には目立たない花ですが、昆虫には人気があります。ただとても蔓延るので、バタフライガーデンに配置するときにはかなりの配慮が必要です。現状では、ウマノスズクサと同じあたりに勝手に生えてくるので、今のところはご退去いただいています。
人間には目立たない花ですが、昆虫には人気があります。ただとても蔓延るので、バタフライガーデンに配置するときにはかなりの配慮が必要です。現状では、ウマノスズクサと同じあたりに勝手に生えてくるので、今のところはご退去いただいています。

 やっと、今年のアゲハを育て上げ、絵にしています。

 アゲハの好む給蜜源の1つに、ヤブカラシがあります。子どもの頃は垣根や、空き地の金網に絡んでいました。その後、庭のある家や空き地が都心から少なくなると、道端の電信柱などに絡まっていました。今は公園のバタフライガーデンに、どんどん生えてくるのを次々駆除しながら、だけど一隅にちょこっとは残したいと、人間の身勝手そのものの感情を抱きしめながら対峙しています。

 これ、花に見えます・・・? 私は、朝顔よりもルコウソウが好きだという地味な花の好きな園芸少女でしたから、小学校三年生まで過ごした世田谷区では、マサキの生け垣の西陽の当たる一隅にこの蔓を残して眺めていました。

 1日眺めているとアゲハチョウやアオスジアゲハがずいぶん飛んで来ます。それで、「アゲハチョウならヤブカラシでしょう」と、12年前にアゲハを描くときに思いました。でもねえ、この草本は、いわゆる雑草。雑草の中でも非常に蔓延る種として除草対象になっているので、案外探しにくいのです。先週雨の中で見たからと思って、晴れた日にアゲハが来るかなあと見に行っても、もうきれいさっぱり刈られていたり・・・ それで、ヒャクニチソウのミツを吸うアゲハを描きました。第三巻では、どうしてもヤブカラシを吸ミツするアゲハを描きたくて、ヤブカラシの花を求めて歩きました。これは、尾久の原公園でやっと出会えたヤブカラシです。

 

 「雑草という名の植物はない・・・」昭和天皇のお言葉です。

 今、皇居があることで、東京の生き物の継承にかなりの貢献があり、私たちも観察に行きます(誰もが入れるとこだけですが・・・)。公園として管理されているところに雑草の共生は難しいですね・・・

 でも、同じ雑という字を使った雑木という言葉は如何でしょうか? 色々な木々がより集まっていることをさして、雑木林とよぶことは、むしろ好まれているのではないでしょうか?

 私もつくづく思います・・・。雑草という草はない。それぞれ名前があります。では、草たちとよぶのか、野草とよぶのか。一頃、「足下の普通の草を見て下さい」という言い方をしていたこともあります。

 でもこの頃、色々な草という意味で雑草でも良いのではないか・・・と、思うようになりました。

 「この雑草の名前はヤブカラシ、貧乏葛ともよばれます。命名は散々ですが、新芽は湯がいて食べられますし、利尿作用その他の薬効もあり民間療法で利用されてきました。そしてこの花にはチョウが集まります」こんな風に話した方が解りやすい気がします・・・