紡ぎ糸の草木染

スカーフを染めた残り液で染めました。媒染はアルミ。バラで染まる赤っぽい茶系が好きですが、残り液でこんなに明るい緑が染まるなんてビックリ・・・
スカーフを染めた残り液で染めました。媒染はアルミ。バラで染まる赤っぽい茶系が好きですが、残り液でこんなに明るい緑が染まるなんてビックリ・・・

 第3巻では、オオムラサキのフンでスカーフを染めました。なぜそんなことをしたのか・・・

 特にカイコをたくさん飼育すると、「このフンは何かになるのかな?」って思います。葉っぱを食べる虫のフンには葉緑素がたっぷり詰まっています。それに、既に幼虫が細かく繊維を砕いているので、成分を抽出しやすい状態です。

 農薬のかかっていないクワの葉を室内で食べて育つ「カイコのフン」からは、純良な葉緑素がとれます。もちろん安全安心な葉緑素で、食品にも使えます。

 今回オオムラサキのフンで、何を染めようかと考えたときに、せっかくなら桐生の絹織物を使いたいと思いました。それで、カイコや絹についていつもご相談させていただく、群馬の蚕業試験場のOBの清水氏にお願いして草木染めの作家をご紹介いただいたのです。何しろ乾燥したフンは100g、染められる布の重さは100g。軽いオーガンジーのスカーフで6枚くらい・・・では、贅沢は言えません。けれど・・・せっかくならば、美しい特別な布を染めたかったのです。

 本をご覧になられたみなさま、2重織りのシルクオーガンジーはいかがでしたでしょうか?

 その時に、通常は作品にお使いになる布をお分け下さった「工房風花」の板野ちえさんが、荒川区のエコセンターで「バラを利用した草木染めの実習」をなさったので、前日のプレ実習に混ざってきました。

 

 植物由来の染料はその種類にもよりますが、多くは口にしても安全で、台所で染められます。

その意味で家庭を預かる身としては好ましく思えます。そして、絹を染めた色が、漢方薬のような役割を果たしたり・・・。アトピーなどで苦しむ身内には必要です。シルクガーゼは、母を介護したときの、褥瘡治療にとても重宝しました。絹からは今後も人類に有用な成分が抽出されるでしょう。

 この手袋は絹の紡ぎ糸を編んだものですから、はめると肌をよくしてくれるでしょう。これから乾燥する季節に有りがたいなあと思います。

 

 今、アトリエにはカイコの5令幼虫が50匹くらいと、エリサンの5令幼虫が6匹います。共に人工飼料で育っています。これからマユを作ります。